「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展が、東京ステーションギャラリーで開催されています。(2018年7月14日から2018年9月9日まで。その後、京都と福岡を巡回予定)
ちひろさんの命日が、8月8日だからでしょうか。
私は8月になると、ちひろさんの絵に無性に会いたくなります。
大好きなちひろさんの絵。ちひろ美術館・東京にも、何度も足を運んで観に行っていますが、この企画展の開催を知ったとき、「ああ、これは今までにない企画展だな」と直感しました。
体中の細胞が叫びだすような思いで、気が付けば企画展の会場まで来ていました。
(東京駅丸の内北口の改札を出てすぐのところに、会場はあります)
感想をこれからお伝えしますね。
「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展の感想
結論。この企画展は、本当に来てよかったです。
直感通り、これまで目にしたことがないような、ちひろさんを感じることができました。
「絵描き」としてのちひろさんが、クローズアップされているからでしょうか。
ちひろさんというと、子どもや花の絵を、可愛く描いているイメージがありますよね。
でも、この企画展では、生身の人として悩み苦しみながらも、あの美しい絵を生み出すに至ったプロセスに、光が当てられています。
「いわさきちひろ、絵描きです。」――のちの伴侶と出会った際に自己紹介したちひろの言葉をタイトルに掲げる本展は、「絵描き」としてのちひろの技術や作品の背景を振り返る展覧会です。ちひろはどのような文化的座標に位置し、どのような技術を作品に凝らしたのか。新出の資料も交えた約200点の展示品を通じて作品の細部に迫り、童画家としてのちひろイメージの刷新を試みます。
「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」公式サイト
戦争体験と平和への祈り
私が特に心を動かされたのは、絵本「戦火のなかの子どもたち」の原画です。
この絵本には、ベトナム戦争で死んでいった子どもたちや、生きぬいてきた子どもたちへの思いがこめられています。ちひろさんにとって、最後の絵本でもあります。
ちひろ美術館・東京でも、この原画を目にしたことがありますが、改めて観ると胸に迫るものがあります。
ちひろさんがどれだけの思いで、悲惨な戦争から立ち上がってきたか。
ちひろさんの平和への祈りが、ひしひしと感じられます。
「青春時代のあの若々しい希望を何もかもうち砕いてしまう戦争体験があったことが、私の生き方を大きく方向づけているんだと思います。平和で、豊かで、美しく、可愛いものがほんとうに好きで、そういうものをこわしていこうとする力に限りない憤りを感じます。」
いわさきちひろ 1972年
故・高畑勲さんが監修
この企画展は、故・高畑勲さんの監修の元で、準備が進められていました。
高畑勲さんの提案によって作成された、いわさきちひろさんの拡大絵も、見どころのひとつです。
絵の空間に、すっぽり包まれたような気持ちになれます。
ちひろさんの作品は細やかなので、目を凝らして観ることが多いのですが、こんな風に大きな画面に抱かれながら観るのも、いいなと思いました。
見どころはたくさん
この企画展では、珍しい油絵や書なども観ることができます。
ちひろさんの手製によるワンピースや、署名されたイーゼルなど、さまざまな展示物からも息吹を感じることができます。
見どころはたくさんあるので、本当に書ききれません。
「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展、おすすめです。
「生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。」展の感想について、お話しました。
くり返しになりますが、「絵描き」としてのちひろさんが、クローズアップされている企画展です。
拡大絵をはじめ、見どころもたくさんあります。
私はこの展示で、ちひろさんのことを生身の画家として、よりいっそう身近に感じることができました。
興味がある方は、会場まで足を運んでみてくださいね。
生誕100年 いわさきちひろ、絵描きです。|東京ステーションギャラリー
※いわさきちひろさんの本なら、こちらがおすすめ。
ちひろさんの言葉で綴られていて、ちひろさんの情熱的な面がかいま見られます。
「え?ちひろさんって、こんなに熱い人だったの?」って、私はこれを読んで驚きました。↓↓↓
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