一昨日の夜のことです。
しんと静まり返った部屋にいると、虫の音が忍び寄ってくるのに気づきました。
私は一人暮らしをしているせいか、耳をそばだてなくても、微かな物音がよく聴こえてくるのです。
玄関のドアを開けると、向かいの草むらから、鈴を振ったような声。
私は呼ばれるように、外へ出かけました。
つい最近まで蒸し暑くて、うだるくらいだったのに、涼しい風が頬をなでていきます。
「ああ、秋だな」
そう実感すると同時に、ふと思いました。
「私の人生も、秋に差しかかっているのだろうか」
いつもなら、人生なんて重い言葉は思い浮かばないのに。秋は人をセンチメンタルにするのでしょうか。
私は今、40代。アラフォーです。
この年頃は秋に当たるのでしょうか。
青春・朱夏・白秋・玄冬…40代はどの季節?
人生を季節に例える言葉で、まっさきに思いつくのが「青春」。
中国の五行思想から来ている言葉です。
五行思想によると、四季にはそれぞれ色が当てられています。春には青、夏には朱(赤)、秋には白、冬には玄(黒)という風に。
「青春」「朱夏」「白秋」「玄冬」と、それぞれの季節は名付けられています。
「青春」が若くて未熟な年頃だとしたら、「朱夏」以降はどんな年頃なのか。
青春 16歳~30代前半
朱夏 31歳~50代前半
白秋 50代後半~60代後半
玄冬 60代後半参考 朱夏(ピクシブ百貨辞典)
「あれ?私の人生、まだまだ夏の盛りじゃん」
ネットで色々調べているうちに、そう思いました(汗)
そうですね。一般的に30代から40代前半は壮年期と呼ばれていて、脂が乗りきっているイメージがあります。
結婚もして、子どもを育てている真っ最中という年代ですね。
アラフォーで枯れるのは、まだまだ早いです。
未婚で独身の場合のミッドライフ・クライシス
とはいえ、私は一人暮らし。未婚で独身です。
もしも人生の実りのひとつとして、子どもが産まれたなら、その子を育てるのに一生懸命汗水を流していたかもしれません。
それこそ、真夏の炎天下を駆けぬけるように。
ところが、そういった経験が私にはありません。子どものことに限らず、仕事でもプライベートでもそうです。
自分のために涙は流しても、誰かのために汗水を流すことは、ほとんどありませんでした。
だから余計に、「私はこのまま枯れちゃうのかな……」といった危機感があるのかもしれません。
これもいわゆる、「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」ですね。
人生の秋の実りは十人十色
「ミッドライフ・クライシス(中年の危機)」について話しだしたら切りがないので、最後に本を一冊紹介しますね。
「葉っぱのフレディ」という本です。
人生を季節に例えている作品ということで、この本を思い出しました。
主人公のフレディは木の葉っぱ。
春夏と過ごし、秋になったとき、葉っぱの仲間たちがそれぞれ違った色にさま変わりしたことに気づきます。黄色、オレンジ、赤、紫、等々……
「僕たちは一人一人違っていて、それぞれ違った経験をしたから、違った色でないなんておかしいよ」
そう言って、友達のダニエルが教えてくれました。
「この素晴らしい季節は秋と呼ばれているのだ」と。
これはそのまま、人間にも当てはまりますね。
40代の人が10人いれば、10人とも個性があって、生き方も違います。
私も未婚で独身という点では、人とちょっと違うかもしれないけれど、自分の色合いを大切にして、これからの思秋期を迎えていきたいです。
さて、あなたはどうですか?
コメント
マホさ~ん
マホさんの柔らかい文章好きです。
マホさんのブログ、ガワも中身もホント憧れます。
こないだよそのブロガーさんに、ブログのガワの事を教えて貰ったのですが、安部公房もそんな様なことを言ってるそうで、私、安部公房なんてほとんど読んでませんから、へー!と感動したのです。
こうやって書いたらいいのかぁ・・・と思うのですが真似できないです。
文章の構成も内容もとても勉強になるのですが、やはりこれも真似できず。
マホさんが何言っても正しいと思えるのは、お人柄だろうなぁ。
思秋期の話もとても面白かったです!
私すっかり枯れてたけど、まだ夏の盛りかぁw
うめこさ~ん
ブログ見ました!停電が復旧して、本当によかったです!
大変ななか、コメントどうもありがとうございます。
うめ子さんに色々お褒めいただけて嬉しいです。
あ!でも、私も結構日本語が怪しいときがありますよ。
(極めると究めるの違いなども、うめ子さんのブログを見て、へーっと思いました)
しかも、安部公房の作品も読んだことがありません(苦笑)
ブログの記事の構成に関しては、
あらかじめノートにまとめるようにしています。
それと文章に関しては、
最初に大事なことを書くようにしています。
(たとえば、冒頭の300字を見れば、記事の大まかな内容がわかるようなイメージです)
そのやり方は、自分に合っていると思うのだけれど、
ちょっとつまらないかな?と感じるときがあります。
作家さんがよく
「自分の手が勝手に小説を書いてくれました!」
という風に仰っているのを聞くと、なんだかとても羨ましくなるのです。
私にとって、うめ子さんの文章は、
まさにそういった作家さんの文章のイメージ。
思ったままに書いていて、意外なところに着地しているから、
読んでいて本当に面白いです。
隣の芝生は青く見えるのかもしれませんね。
私は私で、うめ子さんの真似をしたくてもできません。
思秋期についてのコメントもありがとうございます。
夏も秋も、それぞれ魅力はありますよね。