黒柳徹子さんによるエッセイ集、「トットひとり」をようやく読み終えました。
本の表紙を閉じたとたん、思わず息をこぼしてしまいました。
一冊の本で、こんなにもワクワクして、しみじみするなんて久しぶり。
徹子さんと言えば、NHK専属のテレビ女優第一号で有名ですよね。長寿番組の「徹子の部屋」や「ザ・ベストテン」の司会でも知られています。
本のページをめくっていると、テレビの草創期から第一線で活躍してきた徹子さんといっしょに、長い人生を猛ダッシュで駆け抜けていったような気分になりました。
「同じ匂いを持った人たち」との出会いと別れ
私が好きだった人たち、
私を理解してくれた人たち、
そして、
私と同じ匂いを持った人たちに――引用元:トットひとり(黒柳徹子 著)
徹子さんは実に、多くの人たちに出会います。
毎日を共に過ごした向田邦子さん。
お兄ちゃんのように慕った渥美清さん。
ちょっとエッチなおじさんである森繁久彌さん。
等々……。
徹子さんは、ここには書き切れないくらい、たくさんの人たちに出会い、そして別れていきます。
今は亡き、そんな人たちの息づかいも、徹子さんの筆にかかると、まるで生き生きと蘇ったよう。まるで目の前で笑っているような、そんな感覚におちいりました。
最後のエッセイである「幕が上がる時」の、最後のページまで差しかかったとき、
「徹子さんはこれほどまで孤独を感じていたのか!」
と驚きましたが、こんなにも孤独を抱えながらも、嘆くことなく生き続ける徹子さんだからこそ、かけがえのない輝きを放っているのかもしれませんね。
黒柳徹子さんから学ぶ、独身生活を幸せに過ごすコツ
さて、黒柳徹子さんと言えば、おひとりさま。
長くお付き合いしていた恋人もいたそうですが、今のところ独身を貫いています。
同じ独身である私としては、こんな風に過ごしていればシングルライフも充実するのかと、見習いたいところがたくさんありました。
最後になりますが、徹子さんから学んだ独身生活を楽しむコツをリストアップしてみました。
もしよかったら、続きを読み進めてみてくださいね。
1.自尊心を大切にする
徹子さんは仕事をするにあたり、「自分」というものを大切にしています。
たとえば、徹子さんは「ザ・ベストテン」の司会を引き受けるにあたり、プロデューサーの山田修爾さんにこうお願いしています。
ただし、条件があります。私は、歌謡界の事情もよく知らないで言うんですが、絶対にウソをやらないで下さい。ランキング方式でやるというのなら、決して、順位の操作をしないで下さい。一位じゃない人を、私に『今週の一位はこの方です!』って、言わせないで下さい。
引用元:トットひとり(黒柳徹子 著)
私はこのエピソードを読んだとき、ハッとさせられました。
ウソをつかないことで、自分もスタッフも視聴者の方も、尊重していますよね。
独身の方で、働いている人は多いと思います。社会というものは複雑だから、全く嘘をつかないで生きていくことは難しいかもしれません。
それでも、徹子さんの自分を大切にする姿勢は見習いたいと思いました。
独り身だからこそ、凜としていたいものです。
2.個性を大切にする
徹子さんは、類まれな個性の持ち主です。
それでも、NHKで仕事をはじめたときは、個性的であることに悩んでいたそうです。
ところが、「ヤン坊ニン坊トン坊」のオーディションに合格したとき、審査員の一人である飯沢先生に、こう言葉をかけてもらいます。
「どこもヘンじゃ、ありません。そのままで、いて下さい。それが、あなたの個性で、それを僕たちは必要としているんですからね。」
引用元:トットひとり(黒柳徹子 著)
この言葉がどれだけ救いになり、支えになったか、徹子さんは語っています。個性を直さず、そのままでいたことで、今の徹子さんがあると言っても過言ではありません。
自分では欠点だと思っていることも、本当は光輝く個性かもしれません。ところが、ひとりではなかなか、そのことに気づけないんですよね。
自分の魅力を客観的に見ること。
自分を褒めてくれる声に素直に耳を傾けることが、ポイントだと思いました。
3.友人や家族を大切にする
黒柳徹子さんが友人をはじめ、多くの人たちとの出会いを大切にしているのは、前述の通りです。
独身であっても、人間関係に恵まれていたから、人生を豊かに過ごすことができたのかもしれません。
周りの人たちを大事にすることで、自分も大事にされるのですね。
* * *
黒柳徹子さんのエッセイ、「トットひとり」を紹介しました。
いかがでしたか?
最近では「トットてれび」や「トットちゃん!」のドラマも放映されたので、本に書かれたエピソードを知っているよという人も多いかもしれませんね。
ドラマはもちろん、エッセイも魅力的ですよ。
徹子さんの言葉を、そのまま味わってほしいと思います。
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