おひとりさま生活が長くなると、多かれ少なかれ、孤独を抱えていると思います。
なかにはその孤独が重すぎて、こんな風に感じている人もいるかもしれませんね。
「ああ、もっと寂しさに強くなった方がいいのかな……」
でも、寂しさというのは、打ち負かすべき敵じゃなくて、寄り添ってくれる味方のようなものだと思います。
さみしいと感じる素直さは、ときに魅力になります。
孤独を魅力に変えるプロセスについて、今回はお話しします。
自分も人もコントロールしようとすると孤独感で苦しむ
「寂しさは魅力になる」というテーマについてお話しするにあたって、本を一冊紹介します。
「本当は結婚したいのかも、と思いはじめたあなたへ」(ローラ・ドイル:著 池下育子:監修 結城かおる:訳)
この邦題を見て、ちょっと引いてしまう人もいるかもしれませんね。
原題は“The Surrendered Single”といいます。Surrenderという言葉は、「服従する」「降参する」という意味がありますが、「身を任せる」「身を委ねる」と訳したら分かりやすいです。
「自分や周りの人をコントロールしようとするのは止めて、心をさらけ出して、いろいろとお任せして委ねた方が、楽に生きられるよ」というのが、この本の大意です。
たとえば、こんなことはないでしょうか。
大失恋するなど、心に傷を負うと、その先はどうしてもガードを張ってしまいがちです。
誰かをまた好きになろうとしても……「これ以上傷つきたくない」と、ときめく予感を必死に抑えてコントロール。
誰か別の異性が近寄ってきても……「もう恋愛はこりごり」と、その異性を何とか遠ざけようとコントロール。
でも、自分の感情も、周りの人の行動も、思い通りにできるものではないですよね。コントロールしつづけることは、心をがんじがらめにして、疲れさせてしまうことになります。
それに、ガードを固く張りめぐらせている人に対しては、誰も近づきたくても近づくことができませんよね。けっきょく、ガードの中でひとりぼっちになってしまいます。
これは恋愛に限った話ではありません。
なんでもかんでも思い通りにしようとすることは、孤独感でいっそう苦しむことになります。
コントロールを止めるのは、ある意味とても勇気がいることです。
弱々しい本音をさらけ出してしまえば、もっと傷つく可能性が出てくるからです。
それでも、ちょっと想像してみてください。完璧にガードを張っている人よりも、無防備なまま接してくれる人の方が、たまらなく惹かれてしまうものですよね。後者の方が、信頼されているように思えます。
自分や周りの人を無理にコントロールするのをやめたら、自分の心に素直になれるし、周りの人だって自由でいられます。そこには信頼関係が生まれやすくなります。
完璧でいることが、強さではありません。
「心をはだかにすること」こそ、強さがいることです。
そのままの自分をさらけ出すことができたら、それは魅力となって現れるのではないでしょうか。
心のもろさをさらけだせば、自分の親しみやすさと魅力が増します。「あなたは優しいと信じているから、私は心の鎧をといたの。あなたと一緒だと安心だわ」というメッセージを伝えているからです。私がこんなメッセージを受け取れば、このうれしい気持ちを相手に知ってほしくて、心からやさしくなります。人は心を無防備にして接してくる人には、頑強そうな人には絶対にできないひかれ方で魅せられます。
引用元:本当は結婚したいのかも、と思いはじめたあなたへ(ローラ・ドイル 著)
「さみしい」と口にしたら心が通じ合うように。
私が本書を初めて読んだのは、約7年前のこと。
本書をきっかけに、寂しいときは寂しいと、素直に口にするようになりました。
元々、ひとりでいることが大好きなので、寂しさを感じることがあまりないのですが、それでもやっぱり、誰かといっしょにいたい時もあります。
かといって、「さみしい」と言うことで、人の重荷になったり気を遣わせるのが嫌だったんですね。いつの間にか、「さみしい」という言葉が禁句になっていました。
それでも、寂しさを思い切ってアピールした方が、心が通じ合うんだなと思えるようになりました。
たとえば、つい最近のこと。(というよりも、リアルタイムのことです。)
私はこのゴールデンウィークに、ある人に会いに遠出する予定でした。ところが、やむを得ない事情で、キャンセルになってしまったんです。
私はその人に会うのを楽しみにしていただけに、とてもショックでした。
私は不特定多数の人に対して、そばにいて欲しいとは思わないけれど、特定の人に対しては、会えないとさみしいんだなって、思い知りました。
で、その人にメールしたときに、つい本音をポロっとこぼしてしまったんですね。
「あなたに会えないのは、さみしいです」と。
そのメールを送信した後、やっぱりそんな言葉で結ばない方がよかったかなと、ちょっぴり後悔しました。強がりで遠慮しがちな癖が、まだ残っているんですね。
ところが、その人からの返信には、こんな風に書いてありました。
「わたしも会えなくて、さみしいです」と。
私はその返信を見て、つくづく思いました。
ああ、「さみしい」と言い合える人がいるのは、幸せだな……って。
「さみしい」という言葉には、人を引き合わせる力があると実感しました。遠くから届いたメールなのに、なんだかその人がぐっと近くに感じられて、いとしくなりました。
そんなわけで、心にぽっかり穴があいたまま、長い休日をたったひとりで過ごしているわけですが、不思議とさみしさが心地よいです。
さみしさもコントロールできないと知っているので、気も楽です。
※ところで、ゴールデンウィークといえば、先日こんな記事を書きました。⇒おひとりさまのゴールデンウィーク。お財布に優しい過ごし方8選。
ひとりで長い休日を過ごすヒントを探している方は、参考にしてください。
【まとめ】おひとりさまにとって寂しさは味方
あなたがもし、おひとりさま生活を続けていて、孤独を感じているのなら。
寂しさに強くなる必要は、全くないと思います。
くり返しになりますが、寂しさというのは、打ち負かすべき敵じゃなくて、寄り添ってくれる味方のようなものだと思います。
味方だったら、生かした方がいいと思いませんか?
自分のさみしさをさらけ出すことは、とても勇気がいるし、ちょっと怖いことかもしれません。
それでも、心をはだかにすることで、思ってもみなかった未来が開けてくるかもしれません。
「本当は結婚したいのかも、と思いはじめたあなたへ」(The Surrendered Single)
久々にパラパラと目を通したのですが、気づかされることが沢山あります。
婚活している人、恋愛したい人だけじゃなくて、強がってしまいがちなシングルの人にもおすすめ。
機会があったら、このブログでも改めて感想文を書きたいです。
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